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理事長ご挨拶

デンマーク牧場福祉会の新たな働き

デンマーク牧場こども家庭サポートセンターは、2025年3月29日に竣工式を実施し、4月1日から事業を開始しました。

「デンマーク牧場こども家庭サポートセンター」は、発達に課題・心配のある子どもたちへの早期からの療育支援が主な業務になりますが、関係する三つの事業の複合施設になります。その一つが「児童発達支援センター『だいち』」です。保護者がこどもの発達に不安を感じた段階から、早期からの発達支援を担います。併せて、学齢期の放課後デイサービスを実施します。二つ目が、「児童家庭支援センター『たより』」です。地域や家庭からの養育、児童福祉などいろいろな課題、疑問に専門的な立場から助言したり、里親支援を行ったりして、安心して養育できる環境づくりに努めます。三つめが、「相談支援センター『わかば』」です。障害のある児童や成人の方の心身の状況、保護者・本人の意向を把握した上で支援計画を作成し、ふさわしいサービスの提供に繋げていきます。また、施設の中に、「くらしファーム」という場所を設けましたが、ここは地域の方が気軽に立ち寄っていただける場として、また、研修・ボランティア活動のために使用していただけるようなスペースになっています。非常災害の時には、福祉避難所としての役割も果たす予定です。

この施設を運営し、生かしていくのは、私たちデンマーク牧場福祉会ですが、本福祉会には、大きく三つの特色があります。一つ目はキリスト教精神を理念に持つこと、二つ目は牧場があること、そして三つ目に診療所のあるということです。

牧場では牛・馬・羊を飼育し、牛乳・ヨーグルト・アイスクリームなどを作っています。休日には多くの市民が訪れ、しばしの憩いの時を楽しんでいきます。新たに利用される方々にも、この景色、環境が癒しの場になってくれるようにと祈っています。しかし、牧場の働きはそれだけではありません。その仕事には、利用者がスタッフと共に携わり、共に汗を流しています。福祉の始まりとなったフリースクール「こどもの家」では、社会の中でいろいろな問題に翻弄され、素直な気持ちを失いかけてきたこどもたちが、職員と共に牧場作業をする中で、自分を取り戻すことをしてきました。職員もこどもと「共に学ぶ」姿勢の中で、信頼感を築き、こどもの成長と共に職員も成長してきました。新しい事業を行うに当たっても、この「共に育ち合う」を、デンマーク牧場福祉会の文化として、大切にしていきたいと思います。

理念として掲げる、「目の前にいる一人ひとりは神に愛される人として大切な命である」を心に刻んで、一人ひとりの歩みに寄り添っていきたいと思います。

三つ目の特色である診療所のある法人ですが、診療所は事業全体の中で、とても大切な役割を果たしています。こども家庭サポートセンターの開設も、こひつじ診療所があって、より高い専門性が生かせるものと思っています。この四月からは、これまでの「精神科・心療内科」に、「児童精神科、小児科」が加わります。診療・診断に始まり、共にこどもの成長を見守るパートナーとして、協力して事業を進めていきたいと思います。

微力ではありますが、職員一同が力を合わせ、地域福祉の新たな一翼を担っていく所存です。皆様には、この新たな事業所が、地域の中でよい働きができますよう、ご支援・ご協力をお願いいたします。

写真:櫻井 隆

社会福祉法人 デンマーク牧場福祉会 理事長
櫻井 隆

 

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